業務効率化やら試作回数削減やらが声高に叫ばれるようになって久しいですね。最近はSDGsがブームなので、サステナブルな社会の実現のためより一層声高に叫ばれているような気もします。まぁそんなことを言われるようになるよりずっと昔から、設計段階で歩留まりを考慮したデザインが必要だったり、評価・解析の際に限られたデータから特性ばらつきを把握しなきゃいけなかったり、統計的に物事を見る目を求められるのがエンジニアの辛いところ。
ところが僕はと言うと、大学の授業とか、一部大学院時代に研究のために少し勉強したりとか、まぁその程度しか統計に触れてきてなくて、社会人になってからはその時の貯金でなんとか食いつないでいたんですけれども。最近ようやくちゃんと勉強しようという気になってきまして。この年末年始に入門書を一冊読んでみたので紹介します。
この本は「ここからはじめる」の名の通り、統計学の入門書です。これから統計学について学ぶ人や、僕のように遠い昔の記憶としておぼろげにしか思い出せない人を対象にしているように感じました。基本となる平均や分散から正規分布やχ2乗分布などの確率密度関数、仮説検定まで、平易な記述で書かれています。詳細について細かく学びたい人には物足りないですが、入門書としてはとても良い本だと思います。
初学者にとってはそれぞれの項目がどんなものなのかざっくりとイメージできるようになり、復習したい人はざっと一気読みすることで昔勉強した内容を思い出すトリガーになるんじゃないでしょうか。練習問題もあるので、手を動かしてイメージを固めることもできます。そんなに難しくないです。
統計学にはどうしても数学的な話がつきまとってしまいますが、それでも文系か理系かを問わず、さらには仕事かプライベートかも問わず、あらゆる分野・場面で必要なものだと思います。最近オミクロン株の登場で再び新型コロナが猛威を振るっていますが、おうち時間のお供にいかがでしょうか。