前々から読もうとはしていたものの、最近まで読めなかった1冊。社会人として仕事に活かしたいという思いももちろんありますが、PDCAを回すって、仕事にしろ趣味にしろ、何をするにも基本だと思うんです。そこで、PDCAについて改めてちゃんと勉強しようと思いこの本をチョイスしました。
目次
第1章 なぜPDCAが回らないのか?
第2章 Plan—計画策定段階で勝負は90%決まる
第3章 Do—実行段階のジレンマ
第4章 Check—改善策が見えてくる!評価の進め方
第5章 Action—次の計画につなげるステップ
リーダークラスの人向けだが、個人レベルの業務改善にも役立つ
主に管理職ではないがマネジメントをする立場の方、我々エンジニアで言うと、例えば製品の主担当クラスの方をメインのターゲットにしているようです。しかし、個人レベルの業務改善に役立てたい方にとっても非常に勉強になる本だと思いました。また、各章の最後に、その章のポイントがまとめられており、頭を整理するのにとても役立ちました。
著者はPDCAについて「うまく回せるかどうかは”P”の段階で決まる」と述べており、計画を立てる事の重要性、ひいてはDo/Check/Action全てをしっかりこなすためにもPlanが必要だとしています。具体的には、Planを大まかなもので終わらせず細分化・具体化する事で、Doはもちろん、Checkにおいても「何をどうCheckするのか?」が明確になり、最後のActionにもスムーズに繋がっていくという事です。確かにその通りですが、そのためにはPlanを本当にしっかり作りこまなければいけません。そのための1つのアドバイスとして、トヨタ生産方式の”「なぜ」を5回問う”というものが紹介されていました。
我々エンジニアも、不具合や解決したい現象の本質的な原因を探るためには「なぜ」をとことんまで追求する必要があります。計画策定だけでなく、日頃の業務すべてにおいてトヨタ生産方式は有効活用できると思うので、よく知らないという方は文末の書籍をご一読されることをお勧めします。
5Sにも言及しているのが印象的
意外だったのが、「5S」についても語られていた事です。5Sというのは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾」の事です。主に製造業の職場環境改善のために用いられる言葉ですが、これが業務改善・PDCAサイクル改善にもつながると本書では述べられています。まぁ、これは真逆の意見も巷にはあったりしますし、色々試してみて自分に合う方法を見つけられればよいかな、と思います。
また、マネジメントに関して、自分や部下のモチベーションを維持・向上させるという課題に対し、「目的」をしっかり持つこと、「目的」と「目標」を混同しないこと、目的の達成に向け継続的に目標を立て続ける事が最も重要であると述べています。最近は自己啓発系セミナーや、大企業では入社時の新人研修なんかでもこの事は言われると思いますし、実際僕も新人研修で言われたのを覚えています。なので頭ではわかっているのですが、これを実践しようとすると目的がどうも曖昧になりがちなんです。難しいですが重要なことなので、せめて意識するだけでもしようと思います。
余談
僕が以前読んだトヨタ生産方式の本です。よかったらこちらもどうぞ。