Engineer's Journal

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【感想】10年後、生き残る 理系の条件

2017年一発目の読書感想文は、中央大学の竹内先生の著書。

エンジニアって、学ぶことがあまりにも膨大なので、その道のプロフェッショナルとして生き続けることに疲れちゃうこともあるんですよね。誰もが一流・超一流になれるわけじゃない。

でもマネージメントだけをやるような将来も嫌だ。

そんなこと、誰もが一度は考えるのではないかと思います。

本書はそんなエンジニアにとって、その道一筋じゃなくてもプロフェッショナルであり続けられること、今の時代、これからの時代は、一筋じゃない人こそが重要だということを教えてくれます。

普通のエンジニア

竹内先生はフラッシュメモリの第一人者で、東芝でフラッシュメモリを立ち上げ、現在は大学教授をされています。しかし自分のことをあくまで普通のエンジニアだと述べています。普通のエンジニアであっても、複数の分野にまたがって物事を考えられれば、一点特化の天才エンジニアとは違うベクトルで活躍できるとのこと。

高校や大学で「学際的」なんて言葉が流行ったこともありますが、エンジニアの世界でも様々な関連分野の技術をインテグレーションする、あるいは統合的に考えていくということが肝要だということでしょう。現代はむしろそういう考え方の方が需要はあるのかもしれません。

逆張りこそ重要

どんな業界にも流行はありますが、流行に乗るだけでは成功はしない、と竹内先生は述べています。先行者利益を覆せる何かがないと成功するのは難しいですからね。

そこで、流行りに乗るのではなく、あくまで逆張り。逆張りと言えば最近はトランプ大統領の側近ピーター・ティール氏が有名ですが、エンジニアの世界でも逆張りは生き残るために必要だと竹内先生は言っています。

流行だったり世の中が向いている方向とは逆を行く(というか、目が向いていないところを攻める)のは非常に勇気がいるしまわりを説得するのも非常に大変だとは思いますが、それだけ可能性があるということなのでしょう。その決断をちゃんとできるか否かっていうのは成功者か否かに直結しそうですね。

おわりに

竹内先生のユニークなキャリアやフレキシブルな考え方はとても参考になります。他、城繁幸さんとの対談も書かれていて、これもまた面白かったです。

エンジニアなら一読の価値ありです。