Engineer's Journal

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おすすめ本まとめ

僕が読んだことのある本を紹介するページです。僕の専門である半導体アナログ回路関連の本から、趣味でもあるwebデザイン系、自己啓発系の本まで広げていこうかな、と思っています。順次更新していくつもりです。

目次

半導体アナログ回路

アナログCMOS集積回路の設計

CMOSアナログの専門書と言えばRazavi本というくらい、おそらく最も売れているであろう有名な本。上2冊が初版の訳本、下が第2版の原著。僕は上2冊を大学4年の時に購入し、今でも時々見ています。

どちらかと言うと解析的な視点で書かれているので、回路の理解の助けには非常に有用だと思いますが、設計の勘どころを身につけるには別の本、例えばAllen本などのほうがいい気がしています。

CMOS Analog Circuit Design

こちらもRazavi本に負けず劣らずな名著。僕は2nd Editionを持っています。今でも1番参考にしている本の1つですね。

Razavi本が解析的な視点で書かれているのに対して、こちらは設計時の視点で書かれているような印象を持っています。もちろん回路の理解を深めるのにとても有用なのは言うまでもないですが、加えてSpiceのモデル式などの基本も押さえられること、OpAmp設計においては設計手順も書かれていることなど、勉強になる要素が多いです。

CMOS: Circuit Design, Layout, and Simulation

IEEE Solid-State Circuits Magazine編集長も務めているBaker先生の本。僕は3rd Editionを持っています。とにかく分厚い(笑) プロセス、デバイス、レイアウト、設計と、様々な観点で書かれているうえに、webサイト“CMOSedu.com”で章末問題の解答も作ってくれているので、とにかく分量が多くても英語でも構わないからどれか1冊だけ買って勉強したい!って方には絶対この本をお勧めします。

僕はAllen本をベースに、Razavi本とBaker本を辞書的に使っています。

CMOSアナログ回路入門

日本人が書いたCMOSアナログの本で多分1番有名な本なんじゃないでしょうか。とりあえずこれ買っとけ的な感じで先輩に言われた人はけっこう多いと思います。かく言う僕もその1人です。

内容的には幅広く扱っていて、デバイス物理的な話から応用回路の紹介まで多岐にわたっています。それを300ページちょっとっていうコンパクトなボリュームにおさえてあり、まさに入門書です。それぞれの内容は理論的に深堀りするのではなく「定性的にイメージをつかむ」ような書き方がされており、数式もあまり多くは出てこないです。他の専門書と一緒に買って、動作や原理のイメージをつかむために活用することをおすすめします。

Analysis and Design of Analog Integrated Circuits

CMOS以外 (バイポーラなど) も含めた、半導体アナログ回路設計全般にわたって座右の書になる、アナログ界のバイブルと名高い名著。初版のころは著者がGrey先生とMeyer先生の2人だったので、日本ではこの本は”グレイ・メイヤー”と呼ばれ親しまれていたようですね。大学院の頃には大変お世話になりました。

訳本も出ているのですが、原書がアップデートされているので原書をおすすめします。CMOSアナログに特化した本ではなかなかお目にかかれないような回路も載っているので、辞書的な使い方をするだけでも十分買う価値があると思います。

Analog Integrated Circuit Design

僕は持っていないのですが、大学の研究室に初版が置いてあったのでよく読んでいました。職場の先輩も初版は何人か持っている方がいるので、たまに読ませてもらっています。

初版の印象ですが、基本回路についてはけっこう詳しく書かれていますが、後半の応用回路は様々な論文から引用してきた回路を紹介するに留まることが多く、ちょっと消化不良気味になるかもしれません。でも、今まで紹介した本には載っていない回路も当然あるので、回路のストックを増やしたい方、幅を広げたい方におすすめです。

ΔΣ型アナログ/デジタル変換器入門

ΔΣ ADCと言えばこの本。オーバーサンプリング型のADCについて基礎から教えてくれます。大学院時代にΔΣ ADCの研究をしていて、初版にはかなりお世話になりました。

CMOS Mixed-Signal Circuit Design

Mixed Signal Designという名前ですが、主にオーバーサンプリングADC (= ΔΣ ADC) の原理や動作などについて、数学的にしっかり理解しながら設計していこう、ということを趣旨にしている本。実際に僕も持っていますが、これかなりハードル高いです。数学さぼってたのが悪いんですけど。僕みたいに数学をさぼっていたエンジニアには第1章から歯が立たないと思います。僕はまだ全然読めていません…

とは言え、オーバーサンプリングをしっかり理解しようと思ったらそれだけ高い数学力が必要ってことなんでしょう。大学院時代、いかにΔΣについて理解が浅かったか、というのを思い知らされた1冊です。

Amazonレビューでは非常に評価が高く、レビューの内容も「数学力さえあればオーバーサンプリングADCの理解はめちゃめちゃ深まる」っていうものが多く、数学が得意な中級者~上級者向けの本だという事が読み取れます。オーバーサンプリングADCについての土台をより強固なものにしたい方におすすめです。

数学、信号処理

なるほどフーリエ解析

知る人ぞ知る海鳴社のなるほどシリーズ。文字も比較的大きめ、行間やや広めで非常に読みやすいのと、式の導出がしっかり書かれていること、工学的な観点での解説や図説が多いので、数学の専門家以外の理工学系の人におすすめです。

僕はこの本で、級数展開の基礎からフーリエ級数~フーリエ変換、さらにDFT/FFTやラプラス変換・Z変換との関係性、幾何学的な解釈まで学びました。コンパクトではありますがとてもわかりやすく書かれていて、めちゃめちゃ勉強になりましたね。

そんなにメジャーな参考書じゃないらしいのと、表紙のデザインもちょっとレトロな感じがするので手に取りにくいんでしょうかね、あんまり僕の周りにこの本を知っている人がいないのが残念なところ。

信号解析のための数学

フーリエ変換&DFT、ラプラス変換、Z変換という、デジタル信号処理を学ぶ上で必須の数学について学べる入門書。1998年と結構古い本なので、もしかしたら勉強するのにもっといい参考書があるかもしれませんが、僕はこの本はかなり理解しやすかったと記憶しています (読んだの10年以上前ですけど)。結局、理論が確立された数学の話なので、どういう応用分野の観点で書かれているかっていうのが人それぞれの合う・合わないにつながってくるのかな、と思っています。少なくとも僕のようなアナログ回路屋さんにはこの本は合うと思うので、ぜひ。

この分野の本は工学系学生やエンジニア向けの本が多いですが、本書も例にもれずそういう本です。僕はエンジニアなのでありがたいですね。

Discrete-Time Signal Processing

デジタル信号処理のバイブル的な本として世界中で有名な本。僕はまだ読んだことは無いです。読んだことのない本をおすすめすんなよって話なんですが。

英語が苦手な方は、まず日本語の入門書で基礎を学んでから読むことをおすすめします。