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【感想】40代からは「記憶法」が変わります

昨年発売された記憶法に関する本です。もともと記憶力が良い方ではなく、さらに最近だんだん物忘れが激しくなってきたような気がするので、まだ30歳ですが読んでみました。

目次

1章 40代から「記憶法」は大きく変わる
― 頭で覚えるだけでなく、体に覚え込ませる
2章 「覚えることがあまりにも多い時代」の効果的な覚え方
― その「努力」を確実な「成果」にするために
3章 “実践編”毎日の生活の中で記憶力はトレーニングできる
― 今日からはじめる「5つの法則」
4章 “Q&A”日常の「覚えきれない!」「忘れてしまう!」にお答えします
― 作業療法士として現場からのアドバイス
5章 「記憶力」に自信がつくと「未来」は変わる!
― あなたの脳の力はもっと引き出せる

脳がものを記憶する仕組みを知れる

内容としては、脳が持つ記憶の許容量や、記憶した物事の思い出し方についての仕組みから、いかにして脳の容量に余裕を持たせ、パフォーマンスを発揮するか、ということについて色々な方法が書かれていました。

  • 頭の記憶(陳述記憶)→体の記憶(手続き記憶)への記憶の変換
  • メモするなどをして頭の記憶としては忘れる
  • 大事なことは2度記憶する

などなど。例えば、いわゆる勉強法について書かれた本にもノートに書きだすことの重要性やエビングハウスの忘却曲線の話は書かれていますが、本書のような「脳の仕組み」というテーマの中でそういった項目を見ていくと新しい気づきもあり、おもしろかったです。
それに、確かに普段使っているPCは、HDDの容量がいっぱいになってきたり、あと昔のWindowsはデフラグしないで使い続けたりすると動作が重くなってたな、と、ふと思いました。

また、記憶について現在研究が進んでいること・わかっていることについてもいろいろと教えてくれました。睡眠や食事と記憶の関係についても述べられていて、とても勉強になりましたね。まさか記憶法の本を読んでて時間栄養学の話が出てくるとは思いませんでした。びっくり。以下、なるほどと思ったことをつらつらと。

  • 過去の手続き記憶に基づいて行う行動は、身近な人の行動を真似ることで上書き修正できる
  • 脳も内蔵=冷やせば働きは悪くなる
  • 行為と場所、感情と場所はセットで記憶される
  • 記憶力や脳の働きは起床後どのくらいが最も高いのか?
  • 睡眠=記憶の最適化
  • ノンレム睡眠は頭の記憶の定着、レム睡眠は体の記憶の定着に関係
  • 記憶力は空腹時に向上
  • 光を浴びることと食事の両方で生体リズムが作られる
  • 手続き記憶は忘れない

余談

時間栄養学とは、何を食べるか?が主体の成分栄養学(みなさん小中学生のころ家庭科で習ったと思います)に対して、例えば1回の食事の中での食べる順番や1日の生体リズムとの兼ね合いなど、「いつ食べるか?」に主眼が置かれた栄養学です。2015年版の「日本人の栄養摂取基準」にも時間栄養学の考え方が取り上げられているようで、最近注目度急上昇中の栄養学です。よかったら下に挙げる本もどうぞ。